親知らず抜歯

なぜ、親知らずって言うの?

なぜ、親知らずって言うの?一番奥の歯(前から数えて8番目の歯)を「親知らず」と言います。

大体20歳前後から生えてくることが多く、30歳を過ぎてから生えてくる方もいらっしゃいます。

みなさんが上下左右、合計4本の親知らずが生えるわけではなく、3本だったり、1本も生えてこない人もいます。
親知らずは、「第3大臼歯」「智歯」ともいい、いろいろな呼び方があります。
通常「親知らず」と呼ぶことが多いのですが、なぜ「親知らず」なのか。
親知らずは、20歳前後で生えてくることが多く、その頃には親も40歳を超えていることが多いと思います。
昔は、今の様に寿命が長くなかったので、40歳ころには亡くなっていたそうです。
そのため、自分の子が20歳くらいになって生えてくる歯のことを、親は知らないまま亡くなる、そのため「親知らず」と言うそうです。

寿命が40歳くらいなんて、今では考えられないですよね。

また、「親知らず」は「智歯」とも言い、親知らずが腫れたり、痛みが出ることを専門用語では「智歯周囲炎」と言います。
これは「20歳くらいになって、ある程度自立し、知恵がついてきてから生える歯」だからだそうです。
智慧(知恵)から来ているんですね。

ちなみに、「親知らず」「智歯」は生えてきたら抜かないと言うわけではありません。

まっすぐ他の歯と同じ様に生え、きちんと上下の歯で噛み、歯ブラシもしっかりとできる様でしたら、何の問題もありません。
しかし、どんどんと人の顎の骨は小さくなってきていると言われ、奥から生えてくる親知らずが並ぶスペースが少なく、横向きに生えてきたり、変な方向から生えてくることが多いのです。

そうなれば、噛むことができませんし、歯ブラシもきちんとできないため、虫歯や歯茎が腫れる原因になります。
場合によっては、前の第2大臼歯(7番目の歯)にまで悪影響を及ぼす可能性もあります。
なかなかご自身では。親知らずの生え方や方向はわかりませんので、気になる方は歯科医院で一度レントゲンをとり、確認してもらう様にしましょう。

なぜ、「親知らず」は生えてくるの?

「奥の方に生えてきて磨きにくい」
「磨けないので虫歯になったり、歯茎が腫れて痛い」
「横向きに生えているため向かないといけないと言われた」

あまりいいイメージがない親知らず。

どうせ抜くんだったら、生えてこなくてもいいのに、と思われる方は多いと思います。
では、なぜ「親知らず」が生えてくるのかのお話をさせていただきます。

現代と違って、大昔、ヒトの祖先は狩りや採取をして生活しておりました。
食べるものも動物の肉や自然になっている木の実や果実など硬いものが多かったです。
今の様に包丁などの道具を使い食べやすい大きさに小さくしたり、火を通して柔らかくする技術もありませんでした。
そのため、丈夫な多くの歯で、しっかりと噛まないといけなかったので、今と歯の本数は変わらないですが、あごの骨が現代人よりも大きく、親知らずもまっすぐ生え揃っていたそうです。

しかし、道具を使うことや日の使い方を覚え、また穀物や野菜を栽培する様になり、食生活も大きく発達します。
以前ほど、硬いものを噛まなくて良くなってきたため、ヒトのあごの骨は徐々に小さくなっていきます。
そして、現代では、食の欧米化も進み、柔らかい麺類やお肉、野菜を食べることが多くなってきました。

そのため、歯の本数は同じのまま、あごの骨が大昔よりはぐっと小さくなったため、親知らずが生えるスペースがなく、奥の方に生えたり、横向きに生えて出てこない場合もある、と言われております。
そして、現代人はますます硬いものを食べる機会が減ってきたため、あごの骨がますます小さくなっており、生まれつき歯の本数が少なかったり(先天性欠如)、本来まっすぐ生えるべき7番目の歯(第2大臼歯)が横向きや斜めに生えてくる子供が増えてきています。

そのため、歯並びが悪い子供がかなり増えてきています。
何千年もかけて食文化が変わり、遺伝的にヒトのあごの骨は小さくなっていていますが、生まれてから食べ物をしっかり噛む生活をしていると、あごの成長が促され、親知らずもきちんと並ぶかもしれません。

食生活、特にお子さんにはよく噛む栄養のあるものを食べさせる様気をつけましょう。

親知らずは抜いた方がいい?

親知らずだからといって、全ての歯を抜かないといけないということではありません。
まっすぐ生えていて、上下でしっかり噛んでおり、歯磨きもきちんとでき、虫歯や歯周病になっていなければ普通の歯と同じように残すことが多いです。

次のような場合は、大変かもしれませんが抜歯をおすすめします。

  • 腫れや痛みがある
  • 親知らずが虫歯になっている、または隣の歯も虫歯になっている
  • 矯正治療を行う上で、親知らずの抜歯が必要である
  • 歯列を乱し、顎関節症の原因となっている

歯茎に埋まっている場合でも、他の歯やお口に悪い影響を及ぼす可能性があります。
今の自分の親知らずはどういう状態なのかを知るためにも、歯医者さんでレントゲン写真を撮り確認をすることをお勧めします。

親知らずが痛い時・腫れた時の原因と対処法

親知らずが痛い時・腫れた時の原因と対処法虫歯はなさそうなのに、奥歯の方がズキズキ痛む。歯茎が腫れて痛い。
こんな経験、みなさんにはありませんか?

普段何も問題のない歯茎が急に腫れると痛いですし、驚きますよね。
そういう時に限って仕事ですぐには歯科医院に行けない、連休などで行きたいのに開いていないこともあると思います。

そんな時はどうすればいいのでしょうか?
親知らずが痛い、親知らずの周りの歯茎が腫れた時に自身でできる対処法を紹介させていただきます。

そもそもなぜ親知らずが痛くなるのでしょうか?
まずはその原因を知っておきましょう。

親知らずが痛む・腫れる原因

智歯周囲炎

親知らずはただでさえ奥の方にある上に、横や斜めに生えていたり、部分的に歯茎が被っている場合が多く、非常に磨きにくいことが多いです。
そのため、親知らずの周りに、磨き残しが出てしまうと、細菌が残りやすく炎症がある状態になります。

炎症により、親知らずの周りの歯茎や顎の骨が痛んだり、腫れたり、膿んだりすることを「智歯周囲炎」と言います。
智歯周囲炎は、横向きに生えていて、歯茎から歯の頭が見えていない場合でも、歯周ポケットの隙間から細菌が入り込み、炎症を起こす場合があります。

普段、体が心身ともに健康な時は、体の免疫力がしっかりと働くため、多少の炎症があっても症状が現れることは少ないです。
しかし、ストレスが溜まったり、身体の疲れにより抵抗力が落ちた際に、炎症が強く現れ、智歯周囲炎になることが多いです。
しばらくすると、症状が治まることもありますが、放っておくと、親知らずの手前の歯との間の骨が溶けてきたり、炎症が広範囲に広がると、あごの奥の方や首あたりまで痛むようになることもあります。

口を開ける筋肉に炎症が広がり、口が開けにくくなることもあります。
また、智歯周囲炎になると膿や血が出たり、磨き残しによるプラーク(細菌の塊)が合わさり、強い口臭が出ることもあります。
一度、智歯周囲炎になってしまった親知らずは、一旦落ち着いたとしても、数ヶ月あるいは数年後に同様の症状が出ることが多いです。

年追うごとに症状も強くなることが多いので、基本的には症状を落ち着かせてから、抜歯することをオススメします。

親知らずの虫歯

磨きにくい奥の方にある親知らず。

頑張っていて歯ブラシをしているつもりでも、しっかり毛先が当たらずに、虫歯になることがあります。
特に下の親知らずで、斜めに生えている場合、食べ物が挟まりやすかったり、どうしても歯ブラシの毛先が届かないところがあるため、虫歯にはなりやすいです。

虫歯が進行し、神経近くまで進むと、ズキズキする痛みが生じます。
まっすぐ生えていて比較的磨きやすい、上下でしっかりと噛んでいる場合は、虫歯治療をして残すことがありますが、磨きにくい場所にあったり、斜めに生えていてきちんと噛んでいない、あるいは治療が困難な場合は、抜歯となることがあります。

いずれにせよ、親知らずが痛い場合は、どういう状態なのか歯科医院で診てもらい、どういう治療になるのか説明を受けたり、あるいは応急的に痛みを取る処置を受ける必要がありますが、すぐに行けない場合もあると思います。

そこで、タイミングが合わず歯医者に行けない場合に、少しでも親知らずの痛みを和らげる方法をご紹介します。
是非参考にしてみてください。

親知らずが痛い時・腫れた時にできる対処法

①できるだけ清潔に保つ

智歯周囲炎は、細菌の取り残しによる炎症が原因ですので、歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなどにより、歯の周りや歯茎の中の細菌を少しでも減らすことで、痛みや腫れが引きやすくなります。
大きく腫れている場合、強い痛みがある場合は、お口が開けにくかったり、触れると痛みがあるため、なかなか歯ブラシをするのは難しいと思いますが、他の歯もしっかりブラッシングし、お口の中の細菌を全体的に減らすことが大切です。
うがい薬併用するのも効果的です。

②体の抵抗力を上げる

いつものように歯磨きをしていても、体の抵抗力、免疫力が弱ると炎症の症状が出やすくなります。
睡眠不足や栄養不足、疲労やストレスにより体の抵抗力、免疫力が弱ると、細菌の炎症を抑える力が落ち、結果として、智歯周囲炎となります。
親知らずが痛い時は、できるだけしっかり食べて、よく眠り、リラックスできるように努めましょう。
飲酒や激しい運動も控えましょう。

③痛み止めを飲む

痛みが強く出てきた場合は、日常生活にも支障をきたす場合があるため、痛み止めを飲むようにしましょう。
薬局で購入できる、市販のものでも構いません。
ロキソニンなどの痛み止めには、痛みを抑えるほかにも、炎症を抑える成分が含まれていますので、歯科医院に行くまでの間は痛み止めで対応しましょう。

④腫れている場合は冷やす

大きく腫れた場合は、頬の外側から氷を巻いた冷たいタオルやや冷えピタなどの冷却シートで冷やすと、腫れや痛みが軽減します。
痛いところを、中から直接氷で冷やすと、かえって痛みが増す場合があるので気を付けましょう。

痛みの原因は、親知らずの手前の歯が原因の場合もある!?

疲れていたり、ストレスが溜まり体の状態が良くないと歯が痛くなったり、歯茎が腫れたりすると思います。
そして激しい痛みが出るのが、親知らずです。
奥なので磨きにくく虫歯になっていたり、斜めに生えていて歯茎の炎症が強く出たりと、その痛みは我慢できないくらいになることも。
しかし、実際は親知らずの手前の歯が原因で、痛みが出ている場合もよくあります。

例えば、こういった場合・・・

親知らずの手前の歯が原因で、痛みが出ている場合

親知らずも虫歯になっていますが、その手前の歯が神経に達するくらい虫歯が進んでしまっています。
症状としては、常にズキズキ痛んで何も手につかない、痛み止めを飲んでもまだ痛いと大変つらい状態でした。

痛みの原因としては虫歯が進行してしまったからですが、なぜこれだけ大きな虫歯になったのでしょうか?
その原因としては斜めに生えている親知らずです。

斜めに生えているので、よく食べ物が挟まる、挟まっても歯ブラシが届かないので、痛みがなくそのまま放置していたとのことでした。
こういう場合、歯の頭からではなく横から虫歯が進行するので、削る量が多くなりますし、神経を取らないといけなくなる場合が多いです。

歯の支えとなる根っこまで虫歯が進んでしまった場合

歯の支えとなる根っこまで虫歯が進んでしまった場合歯の頭はきれいでも「抜歯」となってしまうこともあります。
今回の場合、後ろの親知らずを抜き、虫歯が大きかったので神経を取る治療を行い、被せ物を入れることで、なんとか症状なく噛めるようになりました。
しかし、根っこの途中まで虫歯になっていたので、今後悪くならないか定期的に経過観察をしていきます。
症状がない親知らずでも、生え方が悪い場合は、周りの歯に悪い影響を及ぼしていないか、定期的に歯医者さんで確認していく必要があります。

また、少しでも悪影響を及ぼしそうでしたら、激しい症状が出る前に抜歯されることをお勧めします。
当院では、「神経が近くて大学病院を紹介する」と言われた親知らずでも、CT撮影を行い、3次元的に神経と歯の距離を確認しながら抜ける場合もありますので、気になる親知らずがある方は、ぜひ一度ご相談ください。

親知らずの痛みは、時に耐え難いほどの強いことがあります。
日頃からのきちんとした歯ブラシはもちろん、身体の健康を保つことも、炎症による症状が出ないためには大切です。 また、歯科医院でご自身の親知らずがどういう状態か診てもらい、把握しておく必要があります。
レントゲン写真や実際にお口の中を見てもらい、実際に何本あるのか、どういう向きに生えているのか、虫歯にはなっていないか、きちんと磨けているかなどを定期的に確認してもらいましょう。
中には、上の親知らずは見えにくいため、自分でも生えているのを知らずに、何年も磨いていなかったっという方もおられます。
親知らずを抜く際も、炎症は少ない方が、抜く際の痛みも少なく、抜いた後の治りもいいです。 親知らずで気になることがある方は、ぜひ一度ご相談ください。

注意事項

親知らずを抜いた後の注意事項親知らずが虫歯になっていて痛い、親知らずの周りの歯ぐきが腫れている、ズキズキ痛むなどで親知らずを抜くことがあると思います。
親知らずだから抜かないといけない、と言うわけではありません。
きちんとまっすぐ生えていて、上下でしっかり噛んでいる、歯磨きもきちんとできている場合は、歯として使っていただけます。

しかし、奥の方で磨きにくく、虫歯や歯周病になったり、横向きに生えていて手前の歯に悪影響を及ぼすかもしれない、または、下の歯がなく全く噛んでいない、そんな場合は親知らずを抜くことをお勧めします。

しかし、親知らずも立派な歯ですので、簡単に抜けない場合もあり、抜いた後も痛みや腫れが続くことがあります。 今回は、親知らずを抜いた後の注意事項についてまとめてみました。
歯を抜いた直後で気になる、これから歯を抜こうか考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

親知らずを抜いた後の注意事項

歯を抜いた当日は、入浴や飲酒、激しい運動は控えましょう。

血行が良くなることで、血管が開き、血が出やすくなります。シャワー程度や、軽い運動くらいは構いません。

傷口を舌や指で触らないようにしましょう。

傷口が開いて血が出たり、感染してしまい腫れる可能性がありますので、2、3日は安静にしましょう。

歯ブラシは、傷口に触らないように気をつけてください。

歯ブラシはしていただいて構いませんが、抜いたあたりの歯ぐきを触ってしまうと、傷口が開いて血が出たり、痛むが出る原因になりますので、気をつけましょう。また、うがいをしすぎると、治りが悪くなるため、軽めにするようにしましょう。

しばらくは強いうがいは控えましょう。

抜いて穴が開いた部分に、血液が集まり、かさぶたのようになって、歯ぐきやあごの骨が治っていきます。ぶくぶくとするような強いうがいをしてしまうと、傷口が開いて血が出たり、かさぶた(血餅)が流れてしまい、傷の治りが遅くなってしまいます。2、3日は強いうがいをしないように気をつけましょう。

抜いてしばらくは、唾液やうがいに血が混じるかもしれません。

抜いた当日や、次の日なんかは、唾液やうがいに血が混じってピンク色になるかもしれませんが、少し血液が混ざっているくらいでしたら問題ありません。
気になるようでしたら、お渡しするガーゼを強く噛んで、血管を圧迫して、血を止めましょう。その際は、10〜30分ほど噛んでください。

しばらく麻酔が効いていますので、気をつけましょう。

親知らずを抜く際に、麻酔をしておりますので、頬を噛んだり、火傷をしやすいため気をつけてください。通常1〜2時間で麻酔は切れますが、麻酔が効きにくかったり、抜く際に痛みがあり、麻酔を追加している場合は、さらに痺れるている時間が長くなります。
食事をされる場合は、親知らずを抜いた反対側の歯(右の親知らずを抜いたのなら左側の歯)で噛むようにしましょう。

抜いた当日は痛みがある場合、冷やしても構いませんが、次の日からは控えましょう。

抜歯後の痛みや腫れを落ち着かせるために、抜歯後24時間くらいは抜いた部分を冷やしても構いません。しかし、その後は冷やしてしまうと、血液の流れが悪くなり、かえって治りが悪くなる原因になりますので、冷やすのはやめましょう。

お薬は指示通りに飲みましょう。

通常、抗生物質と鎮痛薬を出します。抗生物質は毎食後(朝、昼、晩)の一日3回を指定された日数分飲むようにしてください。痛み止めは、痛みがあるときに飲むようにしてください。麻酔が切れてきて痛みが出そうと感じたり、お薬が切れてきてズキズキしそうなら、早めに飲むようにしましょう。痛み止めで胃が荒れる場合がありますので、気になる方はご相談ください。

傷口を糸で縫った場合は、7〜10日後くらいに抜糸を行います。

親知らずを抜く際に、歯ぐきを切ったりしなければ糸で縫わないことが多いです。しかし、歯ぐきを切って抜いた場合や心不全・不整脈などで血をサラサラにするお薬を飲んでいる場合は、歯ぐきを閉じたり、血が止まりやすくするために、抜いた傷口を糸で縫います。
その場合、ある程度の治りを待って、7〜10日ほど開けてから、縫った糸を取り除きます。歯ぐきが治る過程で、歯茎に糸の大部分が埋まってしまうことがあり、場合によては糸を抜く際に痛みがあることがあります。

この注意事項は、親知らず以外でも歯を抜いた時もほとんど同じです。
親知らずを抜くとはいえ、小手術を受ける様なものです。抜いた後はきちんと注意事項を守り、安静にするようにしましょう。
新井歯科では、深くて抜けない、神経が近くて抜けないから大学病院を紹介します、と言われた親知らずも、きちんとレントゲンや場合によっては3Dで撮れるCTにより、歯の埋まっている正確な位置や歯の根っこの形、歯と神経との距離を確認しながら抜くことができるかもしれませんので、気になる方はぜひ一度ご相談下さい。
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