虫歯

虫歯について

虫歯について

虫歯はできたばかりの時は、痛みや腫れなどの症状はあまり出ませんが、進行するにつれて症状が現れてきて、最後には歯を失うことに繋がっていきます。
なので「歯が痛いです」と歯医者へいらっしゃった時には、すでに虫歯が進んでいたということは珍しくありません。

虫歯は放っておいても治らず、進行すればするほど治療が難しくなり、患者さんの負担が大きくなります。
歯を削ったり、抜いたりするなどの大掛かりな治療を回避して、虫歯から歯を守るには早期発見・早期治療が肝心です。
少しでも「おかしいな?」と思うことがありましたら、そのままにせずにお早めに茨木市の新井歯科へご連絡ください。

このような症状がある方は、虫歯かも!?

このような症状がある方は、虫歯かも!?

  • 歯の溝が黒ずんで見える
  • 冷たいものが・熱いものが歯にしみる
  • ものを噛むと痛む
  • 何もしていなくても痛みがある
  • ズキズキと刺すような痛みがある
  • 歯ぐきが腫れている
  • 歯ぐきから膿が出ている
  • 歯に激痛があったが、それがなくなった

など

このような症状がある場合、虫歯の可能性があります!そのまま放っておかずに、すぐに茨木市の新井歯科へご相談ください。

根っこの虫歯(根面う蝕)に注意!!

虫歯は、どこにできやすいかご存知ですか?

根っこのむし歯(根面う蝕)に注意!!なんとなく想像ができるかもしれませんが、虫歯は歯磨きがやりにくい、歯ブラシの毛先が届きにくいところに出来やすいです。
すなわち、奥歯の深い溝の部分や歯と歯の間の磨きにくいところが虫歯になりやすいです。

奥の方に生えてきた親知らずも、歯磨きがやりにくいため、虫歯になる方は多いです。

しかし、もう1箇所、虫歯になりやすいところを挙げるならば、「歯の根っこの部分」です。

若い方や、きちんと口腔ケアをしている方なら、歯の根っこが見えていることはありません。
歯の根っこは、歯茎が下がってしまうことで見えてきます。

歯茎が下がる原因としては様々です。
  • 歯周病によって、歯を支える顎の骨が溶けて、歯茎が下がる
  • 歯ぎしりや食いしばりにより過度な力が歯や歯茎にかかり、歯茎が下がる
  • 歯ブラシの力が強いため、歯茎が下がる

などが考えられます。

歯茎が下がることで、部分的に歯の根元の表面(根面と言います)が見えてきます。
歯の表面は「エナメル質」という非常に硬い成分で覆われているため、すぐには虫歯は進みません。

しかし、根っこの面(根面)はエナメル質で覆われていないため、根っこの表面(根面)はやわらかく、虫歯になりやすいのです。

根っこの表面(根面)はやわらかく、虫歯になりやすいまた、歯の表面が柔らかいため、虫歯が進むのも早く、根っこの部分は歯の神経と近いため、小さな虫歯でも神経を取る治療が必要になる場合もあります。

根面の虫歯は被せが入っている歯にも生じやすく、被せの下や被せの中で虫歯が進んでいることがありますので、なかなかご自身では気がつかないと思います。
加齢によって歯茎が下がってきた、最近歯が長く伸びてきた(歯茎が下がり相対的に歯が伸びたように見える)、歯周病と言われている方などで、歯の根元が黒くなっているのが気になるのでしたら、虫歯になっているかもしれません。

根っこの虫歯(根面う蝕)は早期の対応が大事ですので、少しでも気になる方はお早めにご相談ください。

虫歯の原因

虫歯の原因

お口の中には、常在菌である虫歯菌(ミュータンス菌)が常に生息しています。
飲食をした後に、お口の中に糖分が残ったままだと、その糖分を元に虫歯菌(ミュータンス菌)が酸を作り出し、この酸が歯を溶かすことで、虫歯が生じます。
人の唾液には、お口の中を中性に戻したり、少し溶かされた歯を修復したりする働きがありますが、その回復力以上の酸が作り出されると、歯の修復が間に合わず、虫歯がどんどんと進行してしまいます。

虫歯は、単に糖分だけが原因ではなく、以下の3つの要素が合わさって進行すると言われています。

1.歯質

歯質は一人ひとり異なり、虫歯になりやすい人となりにくい人がいます。
歯が硬かったり、歯の厚みが分厚かったり、歯の質は人によって違います。
生まれつきの歯の大きさや硬さは変えられないですが、歯の表面を強化するために、歯の再石灰化を促進するフッ素を定期的に塗ると虫歯予防に効果的です。
また、唾液には細菌の炎症を抑えたり、歯の再石灰化を助ける働きがあるため、食事の際は何回もしっかりと噛んで、唾液を多く分泌させることも大切です。

2.細菌(虫歯菌)

虫歯菌がいないと虫歯にはなりません。
生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には、虫歯菌はいないとされます。
離乳食が始まり、同じ箸やスプーンを使ったり、会話やスキンシップの中で、保護者や周りの方の虫歯菌が、唾液を介して感染します。
赤ちゃんがいる家庭では、親の虫歯菌を減らすことも大切です。
きちんとした歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどで、虫歯菌の数を減らす事が重要です。
定期的に歯科医院で受けるプロフェッショナルケアも大切です。

3.糖分

糖分の多い飲食物を取ると、やはり虫歯になりやすくなるので要注意です。
また、量も大事ですが、食べる「時間」が大切です。
食べた後しばらくは、お口の中の歯垢は酸性になり、虫歯になりやすい状態になりますが、その後唾液の働きによって中性に戻ります。
だらだら食べたり、ちびちび飲んだりと長時間お口の中に糖分がある状態だと、酸性の時間が長くなり、虫歯になりやすくなります。
食事や間食は時間を決めて行い、規則正しい食生活を送りましょう。
また、糖分の少ない・入っていないおやつを選んだり、バランスのとれた食生活をするようにも心がけましょう。

虫歯が再発する原因

①きちんと歯磨きができていない

虫歯を取り除き、しっかりと治療をしても、きちんと歯磨きができていなければ、虫歯の再発の原因になります。
とくに歯と歯の間は磨き残しが多く、プラーク(歯垢:細菌の塊)が残っていると、どんどん虫歯菌が増え、歯を溶かします。
また、プラークが残ったままだと、石灰化し歯石へと変わり、歯ブラシでは取り除くことができない汚れに変わります。
歯石は歯周病を進める原因にもなり、歯ぐきが下がることで食べ物が歯の間に挟まりやすくなり、余計に虫歯になりやすくなります。

②虫歯になりやすい生活をしている

虫歯ができるには、虫歯菌がお口の中にいるだけではできません。
虫歯菌の栄養となる「糖分」がないと虫歯は進行しません。
ですので、お菓子やジュースなど、糖分をよく取る方は虫歯になりやすいです。
また、「糖分」を取る際に気をつけないといけないのが、「量」より「時間」です。
お口の中に糖分が入ると、お口の中に残っている歯垢(プラーク)の中は酸性になり、虫歯が進みやすい環境になりますが、その後20分くらいかけて、唾液の作用により中性に戻っていきます。
一日3食、間食の時間も決めて、規則的な生活をしているなら虫歯にはなりにくいですが、食事の時間が不規則だったり、ジュースやお菓子をちびちび飲んだり、だらだら食べていると、お口の中が酸性の時間が長く、虫歯になりやすいのです。

 ③詰め物や被せ物と歯の間に隙間ができる

日常の中で、食べ物を食べたり歯ぎしりや食いしばりがあると、歯や詰め物、被せ物はすり減っていきます。
歯や詰め物、被せ物は硬さが違うため、すり減り方に違いが出ることで、歯と詰め物や被せ物の間に隙間ができることがあります。
また、詰め物や被せ物はセメントで歯につけますが、唾液や食べ物の成分により、付けているセメントが少しづつ溶け出すことでも、歯と詰め物、被せ物の間に隙間が生じます。
目に見えない隙間でも、微小な細菌は進入してしまうため、隙間から虫歯が再発(二次齲蝕)してしまうのです。

 ④虫歯が残っていた

こちらに関しては、歯科医院の責任になります。
どうしても深かったり、複雑に進んでいる虫歯は、目では見えにくいです。
ぱっと見で茶色い虫歯が取り除けているように見えても、実際には少し虫歯が残っている場合があります。
虫歯を取り残さないように、残っている虫歯を染め出す「齲蝕検知液」を使用したり、肉眼では見えづらい部分も「高倍率ルーペ」「マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)」を用いて確認し、きちんと取り除くように心がけます。

虫歯が再発しないためにできること

①きちんとした口腔ケアを行う

まずはきちんと歯磨きをすることが大切です。
できたら1日2回以上、忙しいのであれば夜寝る前に時間をかけて、丁寧に歯磨きをしましょう。
歯ブラシだけだは歯の表面の約60%しか磨けないと言われますので、歯間ブラシやデンタルフロスも使用し、歯と歯の間もきれいにして、プラークが残らないように気をつけましょう。

②歯科医院で定期検診を受ける

ご自身では歯磨きがきれいにできているつもりでも、磨き残しがあることがあります。
歯の磨き方は、歯の並びや個々の歯によって異なるので、歯医者さんでブラッシング指導を受けるようにしましょう。
歯科医院で定期検診を受け、磨き残しがないかチェックしてもらい、自分では磨きにくいところをクリーニングしてもらうようにしましょう。

③食事や間食の時間を決める

通常時、歯に付着している歯垢は中性の状態です。
飲食によりお口の中に糖分が入ると、虫歯菌がそれを栄養として酸を作り出し、歯垢の中が酸性になります。
酸により歯の表面は一時的に溶かされた状態になります。(脱灰)
食事や間食の時間をきちんと決め、その後飲食をだらだらしなければ、唾液の働きによりお口の中は中性の状態に戻り、溶け出たミネラル成分が歯に吸収され、溶け出た部分が元に戻ります。(再石灰化)
1日の間で、歯の表面は何度も脱灰と再石灰化を繰り返しており、規則だだしく食事や間食の時間を決めていると、歯は再石灰化している時間が長くなり、虫歯にはなりにくいです。
しかし、糖分の多いものをだらだら食べたり、ちびちび飲んでいると、再石灰化が間に合わず、歯はどんどん溶けて虫歯が進行していきます。
糖分を無理に減らす必要ありませんが、食事や間食は時間を決めて規則正しく行うようにしましょう。

④歯並びをきれいにする

歯の並びが悪いと、どうしても歯磨きが難しく、虫歯にはなりやすいです。
一度虫歯の治療をした歯でも、やはり歯と歯が重なっていて磨きにくいところは、プラーク(細菌の塊)が残りやすく、虫歯が再発しやすくなります。
また、前歯が出ていたり、噛み合わせが悪いと、お口を閉じにくく、口呼吸になってしまいます。
口呼吸だとお口の中が乾燥し、唾液の量が少なくなります。
唾液には虫歯菌の活動を抑えたり、歯の再石灰化を強める働きがあるため、唾液が少なくなると虫歯になりやすくなります。
見た目の改善のためだけではなく、歯を磨きやすくし、虫歯予防・歯周病予防のためにも、矯正治療により歯の並びを整えることは大切です。

 ⑤虫歯になりにくい材質で治療を受ける

通常、虫歯になった部分を保険の材質で治す場合、小さな虫歯であればコンポジットレジン(歯科用のプラスチック)、大きな虫歯であれば銀歯を使用して、治療します。
コンポジットレジンの場合、見た目は白くてきれいですが、プラスチックに近い材料なので強度的には弱く、すり減ったり欠けたりする場合があります。
また、よく磨いても表面は歯と比べるとザラザラしているため、プラークが付着しやすいです。
銀歯は強度があり、見た目はツルッとしていますが、歯よりは柔らかいため表面は傷がつきやく、プラークが付着しやすいです。
加えて、表面は金属イオンにより電気を帯びているため、プラークを引き寄せやすく、また電気的にくっつくため、歯ブラシでもなかなかプラークを落とすことができません。
保険の材料では制限がありますが、自由診療で使用するセラミックは虫歯になりにくいと言われます。
セラミックは陶器に近い材質なので、表面がツルツルしている上に硬いため、傷がつきにくくプラークが付着しにくいです。
また金属ではないため、プラークを寄せ付けることがありませんし、表面に付いたプラークも簡単に落とすことができます。
型取りの際も非常に精密な材料を使うため、歯との隙間がほとんどなく作れますし、歯に付ける時のセメントもほとんど溶けない材料なので、長期間使用しても隙間ができにくいです。
どうしても「セラミック」と聞くと、見た目のきれいさにばかり注目してしまいますが、虫歯になりにくく、再治療を防いで歯の寿命を長持ちさせるためにも、とても優れた材質といえます。
最近では、白い金属と言われる「ジルコニア」という材質も多く使われており、非常に硬くて耐久性があり、見た目もきれい上に、金属イオンをほとんど出さないのが特徴です。

歯は虫歯になって治療して…を繰り返すうちに、どんどん残っている歯の量が減っていき、何度も虫歯になっている歯は、将来的に抜歯となる可能性が高いです。大切なご自身の歯を死ぬまで使えるように、虫歯を繰り返す方は、歯磨きのやり方や生活習慣を見直すようにしましょう。

虫歯の進行と治療法

虫歯は、その進行度合いによって、C0〜C4に分類されます。
虫歯の大きさや深さにより、それぞれの段階で、治療法が異なってきます。

C0(初期の虫歯)

C0(初期の虫歯)

歯の表層の硬いエナメル質が、虫歯によって少し溶け始めた状態です。
まだ歯に見えるような穴は開いておらず、しみたり痛んだりする症状はほとんどありません。
外見上は歯の表面が白く濁ったようになりますが、歯の固さは変わりありません。

治療法

きちんとした歯みがきをしたり、定期的にフッ素を塗ることで、虫歯の進行を抑えたり、歯の再石灰化をすることで、治癒できる場合もあります。

C1(エナメル質までの虫歯)

C1(エナメル質までの虫歯)

歯の表面のエナメル質が虫歯によって溶かされ、褐色〜黒くなってきている状態です。
まだ、痛みがないことが多く、特に歯と歯の間で見えにくい場合は、気づかずに放置されてしまうことが多いです。
たまにしみたり、食べ物が歯と歯の間に挟まりやすくなったりします。

治療法

虫歯になった部分だけを切削し、コンポジットレジンと呼ばれるプラスチック(樹脂)をつめて治療することが多いです。

C2(象牙質にまで達した虫歯)

C2(象牙質にまで達した虫歯)

虫歯が進行し、エナメル質の内側にある象牙質まで溶かされている状態です。
ここまで虫歯が進むと、「冷たいものがしみる」「噛んだ時に痛い」といった症状がでることが多く、実際に歯の表面に穴が開いていて、ご自身でも気づくことが多いです。
食べ物も歯と歯の間に挟まりやすくなります。

治療法

麻酔をして、虫歯になって溶かされた部分をしっかりと取り除き、削った歯のの大きさに合わせて、プラスチックで埋めたり、詰め物や被せ物を入れて治療することが多いです。

C3(歯髄(歯の神経)にまで進行した虫歯)

C3(歯髄(歯の神経)にまで進行した虫歯)

虫歯が、どんどん進んで、象牙質のさらに内側の歯髄(歯の神経)まで達した状態です。
歯髄まで達した場合、「冷たいものでズキズキする」、「温かいものまでしみる」「噛んだときズキンと痛む」「何もしていなくてもズキズキ痛い」といった強い症状や、激しい痛みを伴うことがあります。

治療法

歯髄にまで虫歯菌が侵入し、感染が内部まで広がっていますので、歯の神経を取り除く治療(根っこの治療、根管治療)を行い、最終的には被せ物で治すことが多いです。

C4(歯のほとんどが虫歯で失われた状態)

C4(歯のほとんどが虫歯で失われた状態)

歯の大部分が溶けて、残っている歯がほとんどない状態です。
歯の頭が溶けてなくなり、虫歯が歯髄を超えて、歯の根まで炎症が広がっている状態になります。
神経が死んでいる場合が多く、強い痛みが出た後一旦痛みがなくなるため、意外と放置されやすいです。
しかし、歯の根っこの炎症が進み、歯根の先に膿が溜まることで、時折激しい痛みが出たり大きく腫れたりします。

治療法

ここまで虫歯が進み、歯がなくなった場合、多くの場合は抜歯を行います。
その後、抜歯後の治りを待って、インプラントやブリッジ、入れ歯で歯を補い、見た目や噛む機能を回復させていきます。

虫歯治療の流れ

1虫歯の大きさの診査、診断

虫歯の大きさの診査、診断

レントゲン写真を撮ったり、器具で実際に診て、虫歯の大きさや進行度合いを確認します。

2治療計画の説明

治療計画の説明

現在の虫歯の状態についてご説明し、今後の治療計画をお伝えさせていただきます。

3虫歯の除去

虫歯の除去

基本的に痛みが出ないよう麻酔を行い、最小限の削る量で虫歯をしっかりと取り除いていきます。
その際、虫歯の取り残しがないように、虫歯で溶けている歯を染め出すカリエスチェック(齲蝕検知液)を用いて、確実に取り除きます。
虫歯が歯髄にまで進んでいる場合には、神経をとる治療(根管治療、根っこの治療)を行っていきます。

4詰め物や被せ物を装着

詰め物や被せ物を装着

小さな虫歯の場合、虫歯を取り除いて開いた穴を、その日のうちにコンポジットレジン(プラスチック)で埋めて治療をします。
虫歯が大きい場合は、虫歯の進行度合いや歯の残り具合に応じて、歯型を取り、詰め物や被せ物を作製し装着します。
詰め物や被せ物には種類がありますので、型を取る前にきちんとご説明し選んでいただきます。

5定期的メインテナンス

定期的メインテナンス

虫歯の治療が終わり、詰め物や被せ物が入って噛めるようになれば、治療が終わりではありません。
時間や費用をかけて治したお口の状態を、問題がなくきれいな状態が長持ちするように、また新しい虫歯や歯周病にならないように、定期的なメインテナンスでしっかりとケアしていきます。
もちろん毎日の歯磨きもきちんとしましょう。

初期の虫歯では、症状がなくご自身では気がつかない事が多いですので、定期的に歯科検診を受けるようにしましょう。
気になる事がある方は、お気軽にご相談ください。

虫歯を治療したのに歯がしみる場合について

そこまでしみていなかった歯が、歯の治療後にしみるようになった経験はないでしょうか?
虫歯が残っているんじゃないか、健康な歯まで削りすぎたんじゃないかと疑問を持たれる方も多いと思います。

治療した歯がしみる原因

虫歯が大きく、歯の中の神経(歯髄)の近くまで進行していたから

虫歯が大きく、象牙質まで進んだ歯を治療する場合、治療後に冷たい物がしみる、強く噛むと痛い、違和感があるなどの症状が出る事があります。
健康な歯は硬いエナメル質で覆われており、エナメル質には神経がありません。
虫歯になり、エナメル質から象牙質へ穴が開くと、象牙質内にある象牙細管を通して、様々な刺激が神経に伝わり、しみる、痛いといった症状が現れます。
神経の近くまで虫歯になった歯を削る際に、象牙細管を通して歯髄にダメージが伝わり、しばらくは刺激に対して敏感な状態になってしまいます。

歯を削ったときの熱や振動で、神経がダメージを受けているから

硬い歯を歯を削るために、秒速何万回転ものスピードで動く器具を使います。
そのため、摩擦熱により歯の神経(歯髄)にダメージがいかないよう、お水を出して冷却しながら、歯を削ります。
しかし、隣の歯と重なっている歯の虫歯を取る時や、深い虫歯を取る時に、冷却するお水がうまく届かなかった場合、摩擦熱により歯の神経がダメージを受けてしまいます。
そうすると、麻酔が切れてからしばらく、しみが続くことがあります。

銀歯が温度刺激を伝えやすいから

虫歯治療の最後に、銀歯をつけてからしみるようになることがあります。
プラスチックやセラミックなどの材質は、温度刺激をあまり通さないですが、銀歯は金属なのでどうしても冷たいもの、熱いものの温度刺激を伝えやすいです。
ですので、銀歯を入れてからしばらくは、しみが続くことがあります。

セメントや仮の蓋、仮歯に隙間があるから

治療の途中で、セメントや仮の蓋、仮歯を歯につけることがあります。
削った深いところが隠れるよう歯を保護するために使用しますが、型取りをして正確に歯につけているわけではないため、どうしても目では見えない隙間が生じることがあります。
その隙間から刺激が歯の内部に伝わり、しみることがあります。
また、仮の蓋や仮歯は、硬いものを強く噛むと浮き上がって隙間ができることがあるため、治療後数日してからしみることもあります。

治療後について

治療後の歯がしみていると嫌ですし、次からの治療も不安になると思います。
しかし、こういったしみる症状はずっと続くわけではありません。
しみている症状が続き、歯が持続的な刺激を受け続けると、その刺激を抑えるための防御反応が働きます。
歯の神経を守ろうとして、神経を囲むように新しい歯が作られるのです。
この新しくできる歯を「二次象牙質」といい、二次象牙質がしだいに厚くなってくると、刺激が歯の神経に伝わりにくくなり、症状が落ち着いてきます。
落ち着くまでの期間は個人差があり、1、2週〜数ヶ月かかることもあります。
症状がある場合、落ち着くまでの間は神経へのさらなる刺激を避けるために、冷たいものや硬いものはなるべく控えてください。
歯がしみるということは、神経が生きている証拠なので、多少しみるくらいでしたらしばらく様子をみてください。

症状がおさまらなかった場合の対処法について

しかし、1ヶ月経っても全く症状がおさまらなかったり、熱いものがひどくしみる、噛むと痛い、何もしなくてもズキズキしてきた場合は、歯の神経のダメージが進行し、神経が死んできている可能性が高いです。
その場合は、やむを得ませんが、症状を引くために歯の神経を取る治療が必要になります。
歯の治療とはいえ、人体を触ることになるので、例え小さな虫歯の治療でも、100%問題がないとはいえません。
治療を行った後に、どうしても症状が強くなることがあります。
ぜひともご理解のほどお願いします。

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