小児歯科ブログ

2024.02.09

子供の歯は虫歯になりやすい?乳歯とむし歯の特徴について

子供の歯にむし歯があると言われショック。。。

定期検診にも通っていて、市や保育園・幼稚園の検診でも問題ないと言われていたのに。。。

小さい頃から甘いものは極力与えず、仕上げ磨きをきちんとしていたのに、子供の乳歯に虫歯があると言われたことはありませんか?

虫歯にならないように気をつけていたのに、ある日歯に穴が空いていた、虫歯が何本もあると言われた方もいらっしゃると思います。

乳歯に限らず、虫歯は1日で急にできることはありません。何週間、何ヶ月をかけて少しずつ進行していきます。

しかし乳歯の場合、永久歯よりも虫歯の進行が早いことに加え、発見もしにくいとされています。

今回は乳歯や乳歯のむし歯の特徴についてお話しします。

 

「乳歯の特徴」

①乳歯は色が白い

 乳歯は永久歯と比べると、歯の色が白いです。

 歯の色は、歯の内部の象牙質の厚みで決まるとされます。

 歯の表面のエナメル質は透明〜半透明の色で、中の黄色い象牙質の色が透けて黄色味が出ます。

 乳歯は歯の厚みが全体的に薄いため、象牙質の黄色みが少なく白く見えるのです。

 ですので、新しく永久歯が生えてきたときに、乳歯と比べて黄色く問題があるのではと不安になる方もいますが、それくらい色に違いがあります。

 

②乳歯は小さく、歯も薄い

 乳歯は見ての通り、永久歯と比べると歯のサイズは小さいです。

 大きさだけではなく、歯の構成する表面のエナメル質や、内部の象牙質の厚みも薄く、およそ半分くらいしかありません。

 歯の内部には「歯髄」という、歯の神経や血管が通っている部分があります。

 厚みが少なく歯髄までの距離が近いため、永久歯だとまだ問題ないような虫歯の大きさでも、乳歯の場合は歯髄まで細菌が侵入し、歯の神経をとる処置になる可能性が高いです。

 

③乳歯は柔らかく、虫歯になりやすい

 歯は人体の中でも特に硬い素材でできており、色々な食べ物を噛み砕けます。

 乳歯とはいえ歯なのでかなりの硬さを有していますが、永久歯と比べると少し硬さが劣ります。

 その分虫歯に対する抵抗力も弱く、虫歯が進行しやすいです。

 

④永久歯が生えるためのスペースを確保する

 乳歯は虫歯の進行が早く、しばらく放っておくと歯が残せなくなることがあります。

 どうせ新しく永久歯が生えるのだから抜けばいいのでは、と思われるかもしれませんが、予定より早期に乳歯がなくなってしまうと、前後の歯の位置がずれてきたりして、次の永久歯がきちんとした位置に生えてこなくなる可能性があります。

 いずれは抜けてしまう乳歯ですが、今後のお口の健全な発育のためにも、虫歯にならないように、また虫歯になった際は早期の治療を受けましょう。

 

 

いかがでしたでしょうか?

見た目は同じ歯でも、乳歯はただの永久歯の縮小版、というわけではありません。

その特徴を理解し、親子共々虫歯にならないよう、日々の口腔ケアや糖質制限に取り組む必要があります。

では続いて乳歯の虫歯の特徴についてお話しさせていただきます。

 

「乳歯の虫歯の特徴」

①虫歯になりやすい

先に記載したように、乳歯は永久歯に比べて、柔らかい構造になっています。

そのため、エナメル質の脱灰が生じやすく、虫歯になりやすいです。

また、まだご自身では歯磨きが不十分であったり、仕上げ磨きもなかなかさせてくれない・不十分のことが多いですし、甘いものを覚えると好んで摂取する環境なども、虫歯の進行を早める原因になります。

 

②虫歯の進行が早い

乳歯は永久歯に比べて、歯の構造も柔らかいですし、エナメル質・象牙質の厚みも薄いのが特徴です。

そのため、一度虫歯になってしまうと進行は早く、すぐ穴が開いてしまうこともあります。

また、歯髄との距離も近いため、比較的小さそうな虫歯でも、虫歯菌が歯髄まで達するまでの期間が短く、場合によっては神経を取る治療が必要になることもあります。

 

③白い虫歯でわかりづらいことが多い

乳歯は虫歯ができやすく、進行も早いことが多いです。

時間をかけて少しずつ進行する虫歯の場合、虫歯の部分は黒くなっていきわかりやすいことが多いですが、乳歯の虫歯は急速に進行することが多く、白いまま虫歯が広がるのが特徴です。

加えて、もともと乳歯は白い色をしているため、一見虫歯ではないように見えても、歯の中で進行している場合があります。

市や保育園・幼稚園の検診ではライトの光量不足で見えにくかったりします。

私自身も市の検診で乳歯を見る際は、わかりにくいことがありますので、その場合はかかりつけや近隣の歯科医院で時間をかけて見ていただくようにお勧めします。

歯科医院でも毎回レントゲン写真と撮るわけにはいかないので、じっくり見ても正直わかりにくいこともあります。

そのため、大事なのは早期発見と早期治療になります。

きちんと歯科医院を受診することで、早期に発見できる可能性が上がりますし、虫歯になった場合は進行する前に早期に治療を受けるようにしましょう。

 

④子供は痛みを感じにくい

子供はまだまだ発育途中のため、痛みを感じる感覚も鈍いことが多いです。

比較的大きな虫歯があっても痛みを感じていなかったり、実際に穴が開いていてもご自身では気がついていないことがあります。

食事の時だけ噛むと痛いという場合、虫歯の痛みというよりは、虫歯ができてその部分に食べカスが詰まり、歯茎の炎症が出て痛みを感じることが多いです。

痛みを感じにくいため、何もしてなくてもズキズキ痛む、泣くくらい痛みを訴えている場合は、神経近くまで虫歯が進行していることが多いでしょう。

 

いかがでしたか。

乳歯は虫歯になりやすく、進行も早い。その上発見がしにくく、子供自身も痛みを感じにくい。

そうなると気がついた時には虫歯ができてしまった、ということは珍しくありません。

もちろん乳歯はいずれ生え変わりますが、乳歯の時に虫歯が多いと、将来的に虫歯になりやすいというデータがあります。

また、痛みはなくても穴が開いていて噛みにくい・痛いとなると、食欲が低下したり、噛みにくく丸呑みする癖がついてしまい、十分な栄養を摂取できなくなるかもしれません。

気になって反対側の歯ばっかり使っていると、噛み合わせがずれてくる場合もあるかもしれません。

大切なのは、なんといっても虫歯にならないようにすることです。

幼少期から仕上げ磨きや、糖質を頻繁に与えないようにしてあげるのが一番でしょう。

しかし親御さん自身、ご自分の歯磨きもなかなか完璧にはできていないと思いますので、小さいお子さんの仕上げ磨きとなると、さらに難しくなります。

きちんとできているようでも、奥歯の根本や歯と歯の間は意外と磨き残し(細菌)が付着しています。

虫歯になってしまったのは事実として受け止め、早期に治療を受けるようにしましょう。

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