子供の奥歯が痛いとアラート!!
歯茎がめくれる・歯茎が奥歯にかぶさっているなどはございませんか?
お子さんが「歯が痛い」と訴えたときには、まずお口の中を覗いてあげてください。
その際、奥歯に歯茎がかぶさっている「歯肉弁」が見つかることがあります。歯茎がめくれているように見えることもあります。
いずれにせよ歯科医院の受診が必要になりますが、歯肉弁によっていくつかのトラブルが続発することがありますので、その後は特に注意してあげることが大切です。
歯肉弁とは
歯肉弁とは、奥歯にかぶさっている歯茎のことです。口の中を覗くと、奥歯の後方から高く歯茎が盛り上がり、歯に乗っているように見えます。
いずれ自然に治るものですが、半年~10カ月くらいの期間を要します。虫歯などのトラブルの原因になっている場合には、歯肉弁を除去する処置も検討します。
歯肉弁が及ぼす歯のトラブル・症状
虫歯
歯肉弁と奥歯のあいだに汚れが溜まり、虫歯が発生しやすくなります。
歯肉弁と歯の境目に虫歯ができたときには、口を覗いただけでは発見は困難です。定期的に、歯科医院で診てもらいましょう。
歯茎の炎症
虫歯と同様の理由により、歯茎に炎症が起こりやすくなります。
ひどい腫れ、発熱を伴うこともあります。
歯肉炎の原因
歯肉炎とは、歯茎に起こる、軽度の炎症のことを指します。歯肉炎は、プラークに含まれる細菌が出す毒素によって引き起こされます。つまり、プラークが多ければ多いほど、歯肉炎は起こりやすくなります。
予防のためには、食事のあとはできるだけ早く歯磨きなどのセルフケアを行うこと、定期的に歯科検診を受けることが大切です。
歯石は歯肉炎の原因にならない?
プラークは、歯磨きやデンタルフロスで除去できます。ただ、どうしても取り残しが生じます。その残ってしまったプラークが石灰化したものが歯石です。
歯石そのものは、歯肉炎を引き起こしません。ですが歯石のまわりにはプラークが溜まりやすいため、結果的に歯石を放置していることで歯肉炎のリスクが高くなってしまいます。定期検診では、プラークだけでなく歯石もきれいに取ってもらえます。
子供の歯肉炎の種類と治し方とお薬について
お子さんの歯肉炎は、ご自宅でも治すことができます。すぐに受診することができない場合には、以下のような方法をお試しください。ただ、念のため、一度は歯科医院に相談されることをおすすめします。
治し方
丁寧なセルフケア
歯肉炎の原因はプラークにありますので、歯ブラシ、デンタルフロスなどを使って丁寧に清掃します。食後にできるだけ早く歯を磨くことも大切です。お口の中のプラークが多い時間を、少しでも短くします。
一方で、強く力を入れて磨くと、歯茎に傷ができ、炎症のきっかけとなってしまうことがあります。優しく磨くこともポイントです。
生活習慣を整える
生活習慣が乱れると、ホルモンバランスが乱れ、炎症反応が強く現れるようになります。
規則正しい生活、栄養バランスの整った食事、十分な睡眠、適度な運動を意識しましょう。
患部を冷やす
歯肉炎による腫れは、冷たいタオルを頬の外から当てるなどして冷却すると軽減します。
ただ、冷やしすぎは逆効果です。氷を口に含んで冷やすようなことはしないでください。
おすすめのお薬
アクセスジュニア(佐藤製薬)
子供の歯茎の腫れ、口臭のために開発された歯磨き粉です。
3種類の天然ハーブが配合され、優れた抗菌力を発揮します。
さわやかなミント味です。
ビーブランド キャナリーナ(ビーブランド・メディコーデンタル)
必要最小限のフッ素が配合された歯磨き粉です。
虫歯の予防とともに、歯肉炎、口臭の予防の効果があります。研磨剤、合成着色料も不使用です。
マスカット、ストロベリー、アップルの3つの味から選べます。
歯肉炎と歯周炎って、どう違う?
歯肉炎と歯周炎、どちらも同じように使われがちですが、厳密には意味が異なります。
まず歯肉炎とは、歯の周囲、歯周ポケットの浅いところにだけに起きている、比較的軽い炎症のことを指します。一方で歯周炎は、歯肉炎が進行し、歯周ポケットの深くまで炎症が広がっている状態です。
歯周炎まで進行すると、歯のぐらつき、痛みなどの症状が加わり、最終的には歯が抜けてしまいます。
歯肉炎はどれくらいで治る?
歯肉炎の炎症の程度によって異なりますが、お子さんの場合そこまで炎症がひどくなることは多くないため、歯科医院で治療を受け、ご自宅で丁寧にセルフケアを行えば、個人差はありますが、2~7日くらいで改善の効果が見られます。
治ってからといって元の生活に戻れば再発してしまいますので、その後も定期的な歯科医院でのケア、ご自宅でのセルフケアを継続することが大切です。