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2020.09.18

TCHはありませんか?

TCHはありませんか?「TCHはありませんか?」と聞かれても、なんのことかわかる方は少ないでしょう。
TCHとは「Tooth Contacting Habit」の略称のことで、上下歯列接触癖と訳されます。

すなわち、食事や会話など何もしていない、安静にしている状態の時に、上と下の歯が持続的に接触している癖のことを言います。

通常、何もしていない状態、精神的・身体的にリラックスできている状態では、顎の関節や口周りの筋肉もリラックスできていることで、上と下の歯は約1〜3mmほど離れています。

これを安静空隙と言い、この隙間があることで、歯や歯の根っこ、歯の周りの組織に余分な力がかかりません。

また、
食事や会話など上下の歯が接触している時間は、平均 約18分/日
と言われています。

しかし、TCHがある方は、歯ぎしりや食いしばりの強い力ではなく、ただただ上下の歯が接触しているだけの弱い力ですが、長時間歯や周りの組織に余分な力がかかり続けます。

そのことで、歯ぎしりや食いしばりがある方と同様に、様々な症状が現れます。

TCHがある方の症状

  • 歯が痛い、しみる
  • 詰め物、被せ物がよく取れる
  • 顎が痛い
  • 口内炎がよくできる
  • 肩こり、頭痛がある

などの症状が出やすい特徴があります。

また、顎関節症の方の半数以上の方は、このTCHがあると言われます。
よく問診などで、日中の食いしばりはないかを聞くと、多くの方がありませんと答えます。

しかし、よくよくお口の中を見てみると歯がすり減っていたり、舌や頬に食いしばっていた跡(歯に舌や頬が押しつけられた跡)がある方が、結構いらっしゃいます。

調査によると「食いしばり」と聞くと、約70%の強い力で噛み締めることだとイメージされるみたいで、この聞き方だとTCHが見落とされることになります。

そこでよく質問するのが、

「唇を閉じた状態で、上と下の歯はどこか当てったいませんか?」

この質問をすると、歯がすり減っていたり、知覚過敏があったり、舌や頬に噛んだ跡がある方の半数近くが、「当たっている」と答えていると思います。

つまり、食いしばってはいないと思っていても、歯と歯が接触している「TCH」はしていることになります。

顎が開けにくかったり、歯がしみる、口内炎がよくできる方は、「唇を閉じた状態で、上と下の歯はどこか当てったいないか?」、ご自身で確認してみてください。

TCHの治し方はまた次回以降でお話しさせていただきます。