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2020.12.15

歯の間に食べ物が挟まりやすくなった方へ

歯の間に食べ物が挟まりやすくなった方へ食べ物を食べた時、以前より歯と歯の間にお肉や繊維質の野菜が挟まるようになった、と感じる方はいませんか?

食べ物が挟まりやすいと、食事の時にストレスを感じますし、挟まった状態が続くと、痛みを生じたり、むし歯や歯周病の原因になります。

また、口臭がする原因にもなります。

では、なぜ食べ物が挟まるようになったのでしょうか?
今回は、以前と比べて歯と歯の間に食べ物が挟まるようになる原因、治療法、予防法についてお話しさせていただきます。

歯の間に食べ物が挟まるようになる原因

歯の間にむし歯がある

すきっ歯や生まれつき歯の本数が少ない、歯が小さいなどの例外を除いて、歯と歯の間は、がっちりと隙間のない状態でないといけません。

歯と歯の隙間のことを「コンタクト」と言います。

コンタクトがきついことで、お肉や繊維質の野菜が歯の間に挟まりにくくなります。
コンタクトがゆるく、歯と歯の間にわずかに隙間があると、食べ物が挟まりやすくなります。
磨き残しが出やすい、歯と歯の間にむし歯ができると、歯の表面が少し溶け出し、コンタクトがゆるむ原因になります。

歯周病が進行している

歯周病により、歯茎や歯槽骨に炎症が広がることで、歯の支えが弱くなります。
歯周病が進行すると、歯を支えるあごの骨が溶けてきて、噛む力がかかると歯が動きやすくなります。

歯が動きやすくなることで、歯と歯の間に食べ物が挟まりやすくなります。
また、さらに進行すると、少しの力でも歯がグラグラするようになり、より食べ物が挟まりやすくなります。

歯周病により歯茎が下がることで、歯と歯茎の隙間にも、食べ物が残りやすくなります。

歯並び、噛み合わせに問題がある

歯の並びや噛み合わせがきれいだと、噛む力は歯の全体にかかり、しっかり噛むことができます。
歯と歯の隙間も少ないため、食べ物も歯の間に挟まることはほとんどありません。

しかし、歯並びや噛み合わせが悪い部分があると、食べ物を噛んだ時に、歯の位置や高さがずれているところに押し込まれるように力がかかるため、食べ物が挟まりやすくなります。

治療した詰め物や被せ物と隣の歯の間がゆるい

歯の間にできたむし歯を治す時、銀歯、セラミックなど詰め物や被せ物で治します。

完成した詰め物や被せ物を調整して、歯にくっつけますが、高さの調整だけではなく、歯と歯の間のコンタクトの強さもきちんと調整しないと、コンタクトがゆるいままで歯につけた場合、その後も食べ物が挟まる原因になります。

また、コンタクトをきつめに入れたとしても、その歯や周りの歯が歯周病で動きやすい状態だと、すぐにコンタクトがゆるんでしまうこともあります。

歯の間に食べ物が挟まようになった時の治療法

むし歯治療をする

歯の間にむし歯がある場合は、むし歯の治療をして、ゆるんだコンタクトを改善します。
小さいむし歯の場合はプラスチック(レジン)で治すことが多く、実際に穴が開いて進んでいるむし歯は詰め物(インレー )や被せ物(クラウン)で治します。

むし歯で歯がほとんど残っていない場合は、抜歯となり、その後入れ歯やブリッジ、インプラントにより新しい歯をいれ、コンタクトを回復します。

歯周病治療する

歯周病が進行している歯は、歯を支える歯茎やあごの骨が炎症により弱くなっており、歯が動きやすい状態です。

歯周病治療を行い、炎症を無くしてあげることで、歯の周りの歯周組織が、しっかりと歯を支えられるようになり、食事をしても食べ物が挟まりにくくなります。

矯正治療を受ける

歯の並びが不揃いだったり、噛み合わせが良くないと、その部分に食べ物が挟まりやすくなります。
矯正治療には、従来のワイヤー矯正と、マウスピース矯正である「インビザライン」があります。

インビザラインでは、透明なマウスピースを使用するので目立ちにくく会話もしやすい、取り外しができるので食事や歯磨きがやりやすい、金属アレルギーの心配がない、など様々なメリットがあります。

詰め物や被せ物を新しくやりかえる

詰め物や被せ物が入っている歯の間に食べ物が挟まる場合、それらを新しくやりかえ、コンタクトがきつくなるように調整することで、食べ物が挟まらないようになります。

歯の間に食べ物が挟まらないようにできる予防法

きちんと歯磨きをする

まずはむし歯や歯周病にならないように、きちんと歯磨きをすることが大切です。
頑張って歯磨きをしていても、歯と歯の間や歯ぐきのきわには、プラーク(細菌の塊)が残っていることが多いです。

歯ブラシだけでは、歯の表面の約60%しか磨けないと言われています。
歯ブラシだけではなく、歯間ブラシやデンタルフロスを使用するようにしましょう。

また、自分できちんと歯の汚れが取れているか、歯科医院でみてもらいましょう。

定期検診を受ける

自分では気がつかないうちに、むし歯や歯周病が進行し、食べ物が歯と歯の間に挟まりやすくなることがあります。

症状がない場合、なかなかご自身ではわからないと思いますので、定期的に歯科医院で検診を受け、むし歯や歯周病がないかチェックしてもらいましょう。

また、その時に自分では取り切れていない汚れをクリーニングしてもらことで、さらにむし歯予防・歯周病予防につながります。

早いうちに矯正治療をする

歯並びや噛み合わせが悪いと、歯磨きがやりにくくむし歯や歯周病になりやすかったり、食べ物が挟まりやすい部分が出てくる可能性があります。

できるだけ、子どもの早いうちから矯正治療を受け、歯の並びや噛み合わせを改善し、将来的に歯のトラブルが少ないようにしましょう。

また、矯正治療には年齢の制限が原則ありませんので、少しでも悩んでいる方は、今後のために矯正治療を受けられることをお勧めします。

マウスピースをつける

夜間に歯ぎしりをしている場合、歯に強い力が持続的にかかり続けることで、歯が少しづつ動いて、歯の並びが悪くなることがあります。

歯ぎしりをしている方は、歯並びが悪くなる可能性以外にも、歯がすり減り見た目が悪くなったり、知覚過敏や噛むと痛む症状が出たり、歯周病が進行しやすかったり、あごが開けにくい・痛い原因にもなりますので、マウスピースをつけることをお勧めします。

いかがでしたでしょうか?

食べ物が歯の間に挟まらないためには、きつめのコンタクト(歯と歯の間のきつさ)ときれいな歯並び・噛み合わせが大切です。

歯の間に食べ物が挟まることが多くなった方は、ぜひ一度ご確認ください。