ブログ

2020.11.13

当院での徹底した滅菌の取り組みについて

当院での徹底した滅菌の取り組みについて先日、消毒や滅菌についてお話しさせていただきました。

よく耳にする「消毒」とは、病原性のある細菌やウイルスを死滅、除去して害が出ないようにすることです。
細菌やウイルスを完全に除去するわけではないですが、病原体自身の感染力を弱めたり、危険が出ない状態にします。

すなわち多少なりとも、細菌やウイルスが残っていても、有害性を減らしていれば「消毒」になります。
手指のアルコール消毒などは、まさにそうですね。
風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルスにかかりにくくしているだけで、細菌やウイルスを完全に殺しているわけではありません。

しかし、医療では、使用する器具に細菌やウイルスが残っていると、次に使う患者さん、あるいは器具を扱う医療従事者に感染してしまう恐れがあります。
毎回、新品の器具を使い、使い捨てにすればいいのでしょうが、そうもいきません。

そこで、医療で求められるのが、細菌やウイルスを完全に取り除く「滅菌」になります。

「滅菌」とは、すべての細菌やウイルスを死滅、除去することです。

厳密に言えば、完全に0にするのは不可能に近いため、細菌やウイルスなどを100万分の1にすることを言います。

それ以上残っているようだとただの殺菌になります。

「滅菌」の方法には色々な方法がありますが、一般的には高圧や高熱、電磁波、ガスなどを用いて滅菌します。

通常、歯科医院では高圧蒸気滅菌という方法が取れる「オートクレーブ」という機器を使用します。
しかし、オートクレーブでなんでも「滅菌」できるわけではありません。
オートクレーブの中でもクラス分けがあります。
製品によっては、金属製(ステンレス)は滅菌できても、ガーゼなど柔らかいものはできない。

また、精密器具やチューブなどの細い空洞の中はできないなど、滅菌できるものに限界があります。

オートクレーブの分類は以下のようになっており、クラスBが一番上のランクに位置付けられています。

オートクレーブの分類

  • クラスB(Big)
    固形、多孔体、中空、非包装、包装(一重、多重) あらゆる被滅菌物を滅菌可能
  • クラスS(Specific)
    メーカー特定の製品で非包装の中空物、包装された固形物を滅菌
  • クラスN(Naked)
    非包装の固形物のみ滅菌

被滅菌物別の滅菌器クラス

当院では患者さんから患者さん、また患者さんからスタッフへの感染を絶対にしないように、クラスBのオートクレーブを取り入れております。

金属製の器具だけだはなく、ガーゼや、細かい機器、器具まで滅菌しておりますので、治療で使う際はほとんど新品に近い状態で使用できます。

当院で使用しているオートクレーブは「DACプロフェッショナル」というヨーロッパ製の機器を使用しております。

DACシステムは、感染対策の中でも最も厳しいヨーロッパ基準をクリアしており、日本の製品よりもかなりの性能を誇ります。

感染対策をきちんとしているかどうかは目に見えませんし、コストや手間がかかりますが、患者さん、スタッフ、自分もみんなが安心して治療をできる、受けられるように取り組んでおります。

当院で治療を受けられる際は、安心してお越しください。